ミシガン大学消費者信頼感指数とは?
FXトレーダーにとって、月の半ばの金曜日は少し特殊な日です。 週末モードに入りかけた深夜(日本時間24:00など)に、相場が一気に動き出すことがあるからです。
その正体が、ミシガン大学消費者信頼感指数です。
「たった500人の電話アンケートでしょ?」と侮ってはいけません。 この指標には、今の相場で最も重要なテーマである「インフレ期待」が含まれており、FRB(連邦準備制度理事会)も非常に重視しています。
この記事では、ミシガン大学指数の特徴と、なぜ速報値でトレードチャンスが生まれるのかを解説します。
ミシガン大学消費者信頼感指数とは
ミシガン大学消費者信頼感指数(University of Michigan Consumer Sentiment Index)は、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが毎月発表する、米国の消費者マインドに対するアンケート調査です。
対象は全米の約500〜600世帯。「景気が良いと思うか?」「大きな買い物をする予定はあるか?」などを電話で調査します。
「ミシガン(大学)」と「CB(コンファレンスボード)」の違い
消費者信頼感指数には、有名なものが2つあります。 「ミシガン大学(今回)」と「コンファレンスボード(CB)」です。 どちらも重要ですが、トレーダーとしての付き合い方は全く異なります。
ミシガン大学消費者信頼感指数
- 対象人数:約500人(少ない)
- 発表:速報値(中旬)と確報値(下旬)
- 特徴:「個人の懐事情・インフレ」に敏感
- 動き:人数が少ないためブレ(ボラティリティ)が大きい
CB消費者信頼感指数
- 対象人数:約5,000人(多い)
- 発表:月末の1回のみ
- 特徴:「労働市場(雇用)」に敏感
- 動き:人数が多いためトレンドが安定している
ポイント: 正確さなら「CB」ですが、情報の早さと爆発力なら「ミシガン」です。 特にミシガンには「速報値(Preliminary)」があるため、市場はより敏感に反応します。
最重要項目は「期待インフレ率」
実は、総合的なセンチメント指数以上にプロが見ているのが、内訳にある「期待インフレ率(Inflation Expectations)」です。
消費者が「今後、物価はどれくらい上がると思っているか」を示す数値で、以下の2種類があります。
- 1年先の期待インフレ率: 短期的な物価観
- 5年先の期待インフレ率: 長期的な物価観
なぜFRBはここを見るのか? 消費者が「来年はもっと物価が上がる(インフレになる)」と思い込むと、値上がり前にモノを買おうとしたり、賃上げを要求したりするため、本当にインフレが加速してしまうからです(自己実現的予言)。 そのため、この数値が上がると、FRBは利上げを正当化しやすくなり、「ドル買い」材料になります。
数値の見方とトレード戦略
1. 「速報値」がメインイベント
ミシガン大学指数は、その月の第2または第3金曜日に「速報値」が発表され、月末に「確報値」が発表されます。 トレードで狙うべきは、圧倒的に「速報値」です。
まだその月のデータが出揃っていない段階で出るため、サプライズが起きやすく、ドル円が瞬時に30〜50pips動くことも珍しくありません。
2. 株価との連動性
この指数は、株価(S&P500やダウ)との相関が高いことでも知られています。 消費者のマインドは、保有している「株や投資信託の値上がり益」に左右されやすいからです。
- 株高の時期 → ミシガン指数も良くなりやすい
- 株安の時期 → ミシガン指数も悪くなりやすい
もし「株が暴落しているのに、ミシガン指数だけ異常に良い」といった矛盾が出た場合は、ダマシの可能性を疑う必要があります。

『センチメント(気分)』の調査なので、ガソリン価格が上がった直後などは、ダイレクトに数値が悪化します。ニュースで『ガソリン高騰』が騒がれている月は、予想より悪い結果が出ることを警戒してショート目線を持つ、といった戦略が有効ですよ!
Fintokeiなどのプロップファームでの扱い
この指標は、時期によって重要度が変わる「カメレオン」のような指標です。
- インフレ懸念が強い時期: 「期待インフレ率」への注目が集まり、最重要指標(Red Folder)扱いになります。
- 平時: 中重要度(Orange Folder)程度で、そこまで警戒されません。
ただし、発表時間が金曜日の夜(NY時間の序盤)である点に注意が必要です。 週末を控えて流動性が低下し始める時間帯なので、ちょっとしたサプライズでもスプレッドが広がり、値が飛びやすくなります。
まとめ
ミシガン大学消費者信頼感指数は、消費者の「生の声」を最速で届ける指標です。
- サンプルは少ないが、「速報値」の早さが武器
- 雇用重視のCBに対し、ミシガンは「インフレ・財布の紐」重視
- FRBも気にする「期待インフレ率」の上昇はドル買いサイン
「金曜の夜、飲みに行く前にちょっとチャートを見る」。 そのタイミングで動いているのがこの指標です。 マーケットの体温を感じ取るのに最適なツールとして活用してください。