ニューヨーク連銀製造業景気指数とは?
毎月の中旬、15日前後になると「今月の米経済はどうなんだ?」というマーケットの緊張感が高まります。
その幕開けとして最初に発表される重要指標が「ニューヨーク連銀製造業景気指数」です。
プロトレーダーの間では「エンパイア」や「NY連銀」と呼ばれるこの指標。フィラデルフィア連銀指数よりもさらに早く発表されるため、その月のファンダメンタルズの方向性を決定づける「切り込み隊長」のような存在です。
今回は、荒っぽい値動きで知られるこの指標の攻略法と、Fintokei(フィントケイ)などのプロップファーム挑戦者が気をつけるべきポイントを解説します。
ニューヨーク連銀製造業景気指数とは?
正式名称は「エンパイア・ステート製造業景気指数(Empire State Manufacturing Survey)」。ニューヨーク州の製造業の景況感を測る指標です。
NY連銀製造業景気指数の定義
ニューヨーク連邦準備銀行が管轄するニューヨーク州の製造業経営者(約200社)に対して行うアンケート調査。「0」を基準に景気の良し悪しを判断します。
発表時期:毎月15日(またはその直前の営業日)の日本時間21:30または22:30。
最大の特徴は「発表の早さ」です。ISM製造業景況指数など、他の主要な製造業指標よりも先駆けて発表されるため、市場の注目度は非常に高いです。
トレーダーが「NY連銀」を警戒する2つの理由
私はこの指標を「じゃじゃ馬」のような存在だと思っています。その理由は以下の2点です。
1. 毎月の「最初の答え合わせ」になる
雇用統計などが発表された翌週あたりに公表されるため、「今月の米国経済は減速しているのか?加速しているのか?」という疑問に対する、その月最初の具体的なデータとなります。
この結果次第で、その後に続く「フィラデルフィア連銀指数」や「ISM製造業景況指数」への期待値(ハードル)が調整されます。
2. 数値のブレ(ボラティリティ)が激しい
NY連銀指数は、他の指標に比べて結果の変動幅が非常に大きいのが特徴です。
- 予想「+5.0」に対して、結果が「-10.0」になる
- 予想「-3.0」に対して、結果が「+15.0」になる
このように、市場予想を大きく裏切ることが珍しくありません。その結果、発表直後のドル相場が乱高下(スパイク)しやすくなります。

正直なところ、NY連銀指数の信頼性はフィラデルフィア連銀指数よりも少し劣ります。ブレがあまりに激しいので「ノイズ」扱いされることもあります。ただ、AIアルゴリズムは「数値の乖離」に即座に反応するので、発表の瞬間は強烈なヒゲを作りやすいんですよ。
NY連銀とフィラデルフィア連銀の使い分け
前回解説したフィラデルフィア連銀指数との関係性を整理しておきましょう。どちらもISMの先行指標ですが、役割が異なります。
NY連銀製造業景気指数
- 役割:「速報」
- 特徴:一番早い・ブレる
- 戦略:短期的な値動き(ボラ)を狙う
フィラデルフィア連銀景況指数
- 役割:「確信」
- 特徴:ISMとの相関が高い
- 戦略:トレンドの初動を判断する
基本的には、「NY連銀で驚き、フィラデルフィア連銀で納得し、ISMで決着する」という流れをイメージしておくと、月間のシナリオが立てやすくなります。
Fintokei(フィントケイ)合格のための立ち回り
Fintokeiなどのプロップファームのチャレンジ口座を運用している場合、NY連銀指数は「事故」が起きやすいタイミングの一つです。

プロップトレーダーとして一番避けたいのは「不必要なリスク」です。NY連銀指数は、トレンドを作るというよりは「瞬間的な起爆剤」になることが多いです。私はこの指標の結果を見て、「今月のドルは買い目線で行けそうか?」という雰囲気を感じ取るだけに留めて、無理にエントリーしないことも多いですね。
まとめ
ニューヨーク連銀製造業景気指数のポイントを整理します。
- 毎月15日頃に発表される、製造業指標のトップバッター。
- 「0」を分岐点とするが、結果のブレ(ボラティリティ)が非常に激しい。
- 市場予想との乖離による、突発的な値動きに注意が必要。
- この指標だけで長期トレンドを判断せず、フィラデルフィア連銀やISMとセットで考える。
「早さは正義」ですが、それゆえの「粗さ」もある指標です。この特徴を理解して、毎月15日の夜はチャート監視の準備を整えておきましょう。