ADP雇用統計とは?
FXトレーダーにとって、毎月第一金曜日の「米雇用統計」は最大のお祭りです。 その2日前(水曜日)に発表され、本番の数値を占うための重要データとして注目されるのがADP雇用統計です。
「ADPが良かったから、金曜日の雇用統計も良いはずだ」 そう思ってポジションを持つと、痛い目を見ることがあります。
この記事では、ADP雇用統計の仕組みと、なぜ「本番とズレる」と言われるのか、その理由と対策を解説します。
ADP雇用統計とは
ADP雇用統計(ADP National Employment Report)は、米国の給与計算代行大手「ADP社(Automatic Data Processing)」が発表する、全米の非農業部門における雇用者数の増減を示す指標です。
ADP社は全米の企業の給与計算を請け負っており、その膨大な顧客データ(約40万社・2500万人以上)を元に算出しているため、サンプル数が非常に多いのが特徴です。
「本番(NFP)」との違い
金曜日に発表される政府(労働省)の雇用統計(NFP)と何が違うのか、整理しておきましょう。
ADP雇用統計(前哨戦)
- 発表:毎月 第1水曜日
- 対象:民間企業のみ
- 役割:本番の予測・先行指標
米雇用統計(本番・NFP)
- 発表:毎月 第1金曜日
- 対象:民間 + 政府機関
- 役割:公式な決定打
信頼性は?本番との「ズレ」に注意
この指標の最大の問題点は、「ADPの結果と、金曜日の本番の結果が連動しないことが多い」という点です。
では、見る意味はないのか?
いいえ、そんなことはありません。 相関は完璧ではありませんが、「市場の期待値をセットする」という意味で重要です。
- ADPが予想より大幅に良い → 「金曜日も期待できるかも?」とドル買いムードが高まる
- ADPが予想より大幅に悪い → 「金曜日も危ないかも?」と警戒感が広がる
このように、本番に向けた「市場の雰囲気(センチメント)」を作る役割を果たしています。
トレードでの活かし方
1. 発表直後の初動を狙う
本番(NFP)ほどではありませんが、発表直後は数十pips程度動くことがあります。 特に「予想」と「結果」の差が大きい場合、素直にその方向へ反応しやすい傾向があります。
2. 「ADPの結果」を金曜日まで持ち越さない
前述の通り、ADPとNFPの結果はズレることが多々あります。 「ADPが良かったから、金曜日の指標発表までドル買いポジションをホールドしよう」という戦略は、ギャンブル性が高いため推奨されません。 ADPの動きは、あくまでADP発表後の数時間〜翌日までのものとして割り切るのが賢明です。

過去には、ADPがサプライズ好結果でドル円が急騰したのに、2日後の本番で大暴落して全戻し…なんてことが何度もありました。ADPの結果を過信しすぎないことが、生き残るコツですよ!
まとめ
ADP雇用統計は、米雇用統計ウィークの幕開けを告げる重要な指標です。
- 本番(NFP)の2日前に発表される「民間」のデータ
- 本番との数値の連動性はあまり高くない
- あくまで「参考値」として捉え、金曜日への過度な持ち越しは避ける
この指標が終わると、いよいよ金曜日は本番。 ADPの結果を受けて市場がどう「織り込み」に行ったかを感じ取りながら、本番への戦略を練りましょう。