PCEデフレーターとは?
PCEデフレーター(Personal Consumption Expenditures Price Index)は、米国の家計が消費した財やサービスの価格変動を示す指標です。
FXの世界では、毎月中旬に発表される「CPI」がお祭り騒ぎになるため影に隠れがちですが、実はFRBのパウエル議長たちが「インフレ目標2%」の判断基準にしているのは、このPCEの方です。
見るべき数値:PCEコア・デフレーター レポートには全体(総合)とコア(食品・エネルギーを除く)がありますが、トレーダーが最優先でチェックすべきは「コア(Core)」の前年同月比です。 FRBは一時的な要因で変動しやすい食品やガソリン価格を除いた、物価の基調を重視するからです。
なぜCPIよりもPCEが「本命」なのか?
同じインフレ指標でも、CPIとPCEには決定的な違いがあります。FRBがPCEを「より正確」と考える理由を整理しましょう。
CPI(消費者物価指数)
- 計算対象が狭い:都市部の消費者が「自腹で払った金額」のみ計測。
- 品目が固定:基準改定まで中身が変わらないため、実際の行動とズレが生じやすい。
- 速報性が高い:PCEより先に発表されるため、市場の初動インパクトは大きい。
PCE(個人消費支出価格指数)
- 範囲が広い:農村部や、保険会社が支払った医療費なども含む(より実態に近い)。
- 代替効果を反映:「牛肉が高いから鶏肉を買う」といった消費者の逃避行動も計算に入れる。
- FRBの愛用:上記の理由から、金融政策の決定にはこちらが採用される。

要するに、「お祭り騒ぎのCPI、成績表のPCE」と覚えよう。 CPIで相場が大きく動いたとしても、後から発表されるPCEの結果次第で、FRBの利下げ・利上げの判断がひっくり返ることもある。だから「CPIが終わったから安心」とはならないんだ。
トレード戦略:PCEの結果をどう読むか
PCEの発表は通常、月末または翌月初めの金曜日(日本時間21:30または22:30)に行われます。 トレードにおける基本的な反応は以下の通りです。
- 予想より高い(強い) → インフレ再燃懸念 → 利下げ遠のく → ドル買い(USD高)
- 予想より低い(弱い) → インフレ鎮静化 → 利下げ期待 → ドル売り(USD安)
Fintokeiなどのプロップファームでの扱い
PCEデフレーターは、プロップファームのルール上、最上級の警戒レベルに位置します。
1. ニュース取引制限(Red Folder)の対象になりやすい
Fintokeiをはじめとする多くのプロップファームでは、重要経済指標の発表前後(例:前後2分間)の取引を制限しています。 PCEデフレーターは、経済指標カレンダー(Forex Factoryなど)で「赤色(High Impact)」に指定される常連です。
2. スプレッド拡大による「即死」リスク
PCE発表時は流動性が低下し、スプレッドが急激に拡大します。 特にドル円やユーロドル以外のクロス円などは、一瞬でスプレッドが数十pips開くこともあります。

プロップトレーダーへの助言だ。 もし君が「日次損失許容額(Daily Drawdown)」ギリギリのポジションを持っているなら、PCE発表の30分前には必ずノーポジションにしておくこと。 スプレッドが開いただけで含み損が膨らみ、一瞬で失格通知が届く悲劇を、私は何度も見てきたよ。
まとめ:FRBの視点を持てば「騙し」は減る
PCEデフレーターは、派手さではCPIに劣るかもしれませんが、相場の「中長期的なトレンド(利上げ・利下げサイクル)」を作るのは間違いなくこちらです。
- CPI:短期的なボラティリティ(値幅)を狙うイベント。
- PCE:FRBの政策変更を読み解く羅針盤。
プロップファームの試験合格を目指すなら、この指標発表時の「乱高下」に乗るギャンブルは避け、発表後の「方向感が定まった後」についていくのが鉄則です。
編集長KからのNext Step
次回のPCE発表日がいつか、カレンダーで確認しましたか? もし「金曜日の夜」だったら要注意です。週末のリスク回避と重なって、想定外の動きをすることがあります。 まずは「発表前後はチャートを見ない(触らない)」というルールを、自分のトレード計画に追加してみてください。