新規失業保険申請件数とは?
FXトレーダーにとって、木曜日の夜は気の抜けない時間帯です。 なぜなら、毎週発表される唯一の雇用指標である「新規失業保険申請件数」があるからです。
「雇用統計は月1回だけど、毎週のデータなんて見る必要あるの?」 そう思うかもしれませんが、実はこの指標、景気後退(リセッション)の予兆を最も早く捉えると言われています。
この記事では、新規失業保険申請件数の見方と、トレードでの重要ポイントを解説します。
新規失業保険申請件数とは
新規失業保険申請件数(Initial Jobless Claims)は、米国労働省が毎週木曜日に発表する、その週に「初めて」失業保険の給付を申請した人の数を示すデータです。
簡単に言えば、「先週、どれくらいの人がクビになったか(リストラされたか)」を表す、非常に生々しい数字です。
最大の武器は「速報性」
GDPや雇用統計など、主要な経済指標のほとんどは「月次(月に1回)」や「四半期(3ヶ月に1回)」です。 しかし、この指標は「週次(毎週)」です。
そのため、経済の急激な悪化や回復を、どの指標よりもリアルタイムに反映するという強力なメリットがあります。
「新規」と「継続」の違い
木曜日の発表時には、メインの「新規申請」と一緒に、もう一つ似たデータが発表されます。 それぞれの役割を整理しておきましょう。
新規失業保険申請件数
- 対象:初めて申請した人数
- 意味:「解雇の発生ペース」を示す
- 重要度:非常に高い(市場はこちらに反応する)
失業保険受給総数(継続受給)
- 対象:2週間以上受給している人数
- 意味:「再就職の難易度」を示す
- 重要度:中〜高(中長期のトレンド把握用)
ポイント: まずは「新規」で直近のショックを確認し、「継続」が増え続けていないかで、失業が長期化しているか(不況の深刻さ)を判断します。
数値の見方:ボーダーラインはどこ?
この指標は、「数値が低いほど良い(=雇用が強い)」、「数値が高いほど悪い(=雇用が弱い)」という、逆の見方をします。
- 20万件台前半(または以下): 「非常に強い」。企業は人を解雇しておらず、労働市場は健全。 → ドル買い要因
- 30万件〜40万件超え: 「危険信号」。リストラが増加しており、リセッション(景気後退)の入り口。 → ドル売り要因
「4週移動平均」でダマシを防ぐ
週ごとのデータは、祝日の影響や天候などでブレやすく、乱高下することがあります。 そのため、プロの投資家は単週の結果だけでなく、「4週移動平均(過去4週間の平均値)」を見て、本当のトレンドを見極めます。
トレードでの活かし方
1. 雇用統計の先行指標として使う
月の第1週〜第4週の申請件数をチェックしておけば、翌月の「米雇用統計(NFP)」の結果がある程度予想できます。 「今月は毎週、申請件数が減っていたな」→「雇用統計も強いはずだ」といった仮説が立てられます。
2. サプライズへの初動対応
予想値(事前コンセンサス)とのズレには、素直にチャートが反応します。
- 予想より少ない(強い) → 金利上昇懸念 → ドル円上昇
- 予想より多い(弱い) → 金利低下観測 → ドル円下落
特に、市場が「景気後退」を心配している時期は、この数値が悪化すると「悪いニュースは悪いニュース」として、株価やドルが大きく売られる展開になりやすいです。

発表時間は、夏時間は21:30、冬時間は22:30です。NY市場が開く直前なので、この結果次第でその日のNY時間のトレンドが決まってしまうことも多いですよ!
Fintokeiなどのプロップファームでの扱い
この指標は、重要度としては「中(Orange Folder)」〜「高(Red Folder)」の間を行き来します。
- 通常時: それほど大きな制限対象にはなりにくいです。
- リセッション(不況)懸念時: 市場が雇用データに過敏になっている時期は、ボラティリティが急拡大するため、Fintokeiなどの「ニュース取引制限」の対象になる可能性があります。 経済指標カレンダーで、その週の重要度マーク(赤色かどうか)を必ず確認しましょう。
まとめ
新規失業保険申請件数は、米国の労働市場の「鮮度」を測るための最速ツールです。
- 毎週木曜日に発表される、速報性の高いデータ
- 「少ない=良い」「多い=悪い」という逆相関
- 短期的なブレを除くため、トレンド(方向性)を重視する
「木曜の夜、申請件数が急増していないかチェックする」。 この習慣をつけるだけで、相場の急変リスクを事前に察知できる確率がグッと上がります。