週間石油在庫統計とは?
ゴールド(金)と並んで、コモディティ(商品)トレードの主役と言えば「原油(WTI)」です。 この原油価格のアップダウンを予測する上で、最も基本的かつ強力なデータが週間石油在庫統計です。
「在庫が増えたから暴落だ!」 「在庫が減ったから高騰だ!」
このように市場の反応はシンプルですが、実はこの統計には「API」と「EIA」という2種類が存在し、発表時間も異なります。 この記事では、原油トレードで負けないための在庫統計の読み方を解説します。
週間石油在庫統計とは
週間石油在庫統計とは、米国国内で企業が保管している商業用原油の在庫量を集計したデータです。 在庫の増減を見ることで、原油の「需要と供給のバランス」を読み取ることができます。
APIとEIAの違い(ここが最重要)
初心者の方が一番迷うのが、週に2回ある発表の違いです。 「民間(API)」が先出しの予測、「政府(EIA)」が公式の確定値という関係性です。
API週間石油在庫統計
- 発表元:アメリカ石油協会(民間)
- 時間:毎週 火曜日 16:30(現地)
- 特徴:EIAの「先行指標」として扱われる
EIA週間石油在庫統計
- 発表元:米国エネルギー情報局(政府)
- 時間:毎週 水曜日 10:30(現地)
- 特徴:市場が最も重視する「本番」
※日本時間では、夏時間は翌朝5:30(API)と23:30(EIA)、冬時間は翌朝6:30(API)と24:30(EIA)になります。 ※月曜日が祝日の場合、発表がそれぞれ1日後ろにズレます。
数値の見方:在庫と価格のシーソー関係
在庫統計の基本的な見方は、非常にシンプルです。 「在庫」と「価格」は逆相関(逆の動き)になりやすいと覚えてください。
- 在庫が増加(予想より多い): 供給過多(余っている) → 原油価格は下落しやすい
- 在庫が減少(予想より少ない): 需要過多(足りていない) → 原油価格は上昇しやすい
「ガソリン在庫」もあなどれない
原油そのものの在庫だけでなく、内訳にある「ガソリン在庫」や「留出油(ディーゼルなど)在庫」も重要です。 特に夏のドライブシーズンなどは、原油在庫以上に「ガソリン在庫の減り具合」が相場を支えることがあります。
トレードでの活かし方
1. カナダドル(CAD)への連動
カナダは主要な産油国であるため、原油価格とカナダドルの値動きはリンクします。
- 在庫減少(良い結果) → 原油高 → カナダドル高(CAD/JPY上昇、USD/CAD下落)
- 在庫増加(悪い結果) → 原油安 → カナダドル安
「原油在庫の発表でカナダドル円をロングする」といった戦略は、FXトレーダーの常套手段です。
2. 「API」で仕込み、「EIA」で逃げる
早朝に発表される民間の「API」の結果を見て、夜の「EIA」の方向性を予測する手法です。 APIとEIAの結果は方向性が一致することが多いため、APIで大きく在庫が減っていれば、EIAでも在庫減(価格上昇)を期待して、発表前にポジションを構築する戦略が取れます。

ただし、APIとEIAの結果が真逆になる『ダマシ』もたまにあります。APIでショートして寝て起きたら、夜のEIAで爆上げしてロスカット…なんてことがないよう、資金管理は徹底しましょう!
Fintokeiなどのプロップファームでの扱い
Fintokeiなどで原油(WTIUSDやUSOIL)をトレードする場合の注意点です。
- レバレッジの違い: FX通貨ペアと異なり、コモディティ(原油)はレバレッジが低く設定されている場合があります。
- 指標発表時の制限: 原油在庫統計(特にEIA)は、ボラティリティが高くなるため、プランによっては「ニュース取引制限(Red Folder)」の対象になることがあります。
- 限月(げんげつ)による価格差: CFD取引の場合、限月(満期日)の切り替わりで価格調整金が発生したり、チャートに窓が開いたりすることがあるので注意が必要です。
まとめ
週間石油在庫統計は、原油トレーダーにとっての羅針盤です。
- 早朝の「API」は予習、夜の「EIA」が本番
- 在庫が「減れば」買い、「増えれば」売りのサイン
- 原油だけでなく、カナダドル(CAD)のトレードにも使える
「水曜日の夜は原油が動く」。 これを覚えておくだけで、週の半ばのトレード戦略が立てやすくなります。週の半ばのトレード戦略が立てやすくなります。