ISM非製造業景気指数とは?
「ISM製造業景気指数」と並んで、月初のビッグイベントとして注目されるのがISM非製造業景気指数です。
米国は「モノづくり(製造業)」よりも「サービス業」の割合が圧倒的に高い国です。 そのため、米国経済の真の強さを測るには、この非製造業景気指数(NMI)のチェックが欠かせません。
この記事では、ISM非製造業景気指数の特徴や、製造業指数との違い、そしてトレードでの注目ポイントを解説します。
ISM非製造業景気指数とは
ISM非製造業景気指数(ISM Services PMI)は、全米供給管理協会(ISM)が毎月発表する、サービス業(金融、飲食、IT、医療、不動産など)の景況感を示す指標です。
発表は、製造業景気指数の2営業日後(毎月第3営業日あたり)に行われます。
製造業指数との違い
ISMには「製造業」と「非製造業」の2種類があります。それぞれの立ち位置を整理しましょう。
ISM製造業景気指数
- 対象:製造業(メーカーなど)
- 特徴:景気の「先行指標」として敏感に動く
- 注目度:非常に高い
ISM非製造業景気指数
- 対象:サービス業全般
- 特徴:米国GDPの「約7割」をカバーする
- 注目度:製造業と同等か、それ以上に重要
最重要!数値の見方
製造業指数と同様に、この指標も「50」が景気の分岐点となります。
- 50以上: サービス業の景気が拡大
- 50以下: サービス業の景気が後退
なぜ「非製造業」が重要なのか?
米国は脱工業化が進んでおり、経済のメインエンジンはすでにサービス業にシフトしています。 「製造業が悪くても、サービス業が好調なら米国経済はリセッション(景気後退)入りしない」と判断されることも多く、底堅さを確認するための重要な指標となっています。
構成する4つの主要項目
総合指数(NMI)だけでなく、以下の内訳を見ることで、より詳細な分析が可能になります。
- 事業活動 (Business Activity): 企業の売上や活動状況。製造業でいう「生産」にあたる項目。
- 新規受注 (New Orders): 今後のビジネスの勢いを示す。
- 雇用 (Employment): サービス業の雇用状況。
- 入荷遅延 (Supplier Deliveries): 物流の状況。

特に注目したいのが『雇用』の項目です。米国の雇用の大半はサービス業が受け皿になっているため、この数値が良いと、週末の『米雇用統計(非農業部門雇用者数)』も良い結果になる可能性が高まります!
トレードでの活かし方と注意点
1. 「製造業」の結果と比較する
先に発表された「ISM製造業」の結果が悪く、後から発表される「ISM非製造業」の結果が良い場合、市場は「米国経済はまだ大丈夫だ」と安堵し、ドルが買い戻される(リバウンドする)傾向があります。
2. インフレ指標としての「仕入価格」
内訳の「仕入価格指数(Prices Paid)」は、サービス価格のインフレ動向を示唆します。 ここが高いままだと、FRB(連邦準備制度理事会)が「サービスインフレが根強い」と判断し、利下げが遠のく(=ドル高要因)材料になります。
まとめ
ISM非製造業景気指数は、米国経済の「体幹」とも言えるサービス業の状態を表す指標です。
- 米国経済の7割を占めるサービス業が対象
- 「50」が好不況の分岐点
- 製造業指数とセットで見ることで、経済全体のバランスが把握できる
「製造業はコケたけど、サービス業が支えているからドル円は下がらないな」といった相場観を持てるようになると、トレードの戦略が一段と深くなります。