ISM製造業景気指数とは?
FXトレードをしていると、毎月初めに「今日のISMは注目だ」という声をよく聞きませんか? ISM製造業景気指数は、米国の経済状態を占う上で「最も早く発表される重要指標」の一つです。
この数値の結果次第で、ドル円が1円(100pips)以上動くことも珍しくありません。
この記事では、ISM製造業景気指数の基礎知識から、数値の読み方、そして実際のトレードでの活かし方までを分かりやすく解説します。
ISM製造業景気指数とは
ISM製造業景気指数(ISM Manufacturing Report on Business)とは、全米供給管理協会(ISM)が毎月発表する、米国の製造業の景況感を示す指標です。
全米の製造業300社以上の購買担当役員に対してアンケート調査を行い、「先月と比べて良くなっているか、悪くなっているか」を集計して指数化しています。
発表時期
- 日時: 毎月 第1営業日
- 時間: 日本時間 23:00(冬時間は24:00)
雇用統計よりも早く発表されるため、「その月、最初のビッグイベント」として市場の注目度が非常に高くなります。
最重要!数値の見方と「50」の基準線
この指標を見る上で、絶対に覚えておきたいのが「50」という数字です。
- 50以上: 景気が拡大している(好況)
- 50以下: 景気が後退している(不況)
- 50ちょうど: 横ばい
トレードで注目すべきは「予想との乖離」
FX市場では、発表された数値が50を超えているかどうかも重要ですが、それ以上に「事前の市場予想と比べてどうだったか(サプライズ)」が価格を動かします。
- 予想より強い(高い): 米経済が強い → ドル買い(ドル円上昇)要因
- 予想より弱い(低い): 米経済が弱い → ドル売り(ドル円下落)要因
指数を構成する5つの要素
ISM製造業景気指数は、主に以下の5つの項目を加重平均して算出されます。総合指数だけでなく、この内訳を見ることでより深い分析が可能になります。
- 新規受注 (New Orders): 将来の生産につながるため、最も先行性が高い。
- 生産 (Production): 現在の生産活動の活発さ。
- 雇用 (Employment): 製造業の雇用状況。週末の「米雇用統計」の先行指標として注目されます。
- 入荷遅延 (Supplier Deliveries): 物流の混雑具合。
- 在庫 (Inventories): 製品在庫の状況。

特に『仕入価格指数(Prices Paid)』というサブ指数も要チェックです。これが高いとインフレ圧力が強いことを示唆するため、FRBの利上げ・利下げ判断に影響を与えますよ!
FXトレードへの影響と対策
1. ボラティリティ(変動幅)の拡大
重要度の高い指標であるため、発表直後はスプレッドが広がり、価格が乱高下しやすいです。 方向感が定まるまで(発表から数分〜数十分)は、不用意なエントリーを避けるのが賢明です。
2. ドル円相場のトレンド転換点になりやすい
ISMの結果が市場のセンチメント(雰囲気)を一気に変えることがあります。 例えば、「今までドル売りトレンドだったが、ISMが予想以上に良かったため、一気にドル買いトレンドへ転換する」といったケースです。
まとめ
ISM製造業景気指数は、米国の経済体温を測るための「最初の体温計」です。
- 毎月第1営業日に発表される速報性の高い指標
- 「50」が好不況の分岐点
- 総合数値だけでなく、「雇用」や「価格」の内訳も重要
この指標の意味を理解しておくだけで、月初の相場の動きがよりクリアに見えるようになります。次回の発表日はカレンダーに丸をつけて、ぜひ値動きをチェックしてみてください。