【2025年8月25日-29日】ジャクソンホール後の新展開、ドル安・株高トレンドは本物か?8月最終週の為替・CFDシナリオ

相場分析

先週末に開催された経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」を通過し、市場は新たな週を迎えます。パウエルFRB議長の発言が市場の一部でハト派的と受け止められたことから、ドルが売られ、米国株式市場は堅調に推移しました。この結果、ドル円は146円台後半、ユーロドルは1.17台、日経平均は4万2600円台で週明けを迎えます。今週は、議長の発言内容を市場がどう消化し、この新しい流れが定着するのかを見極める重要な一週間となります。

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ジャクソンホール会議の振り返りと市場の反応

先週のジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長は今後の金融政策について講演しました。市場の最大の注目点であったその内容は、インフレ抑制への姿勢を崩さない一方で、利上げサイクルの最終局面が近いことを示唆するものでした。この発言を受け、市場の反応は以下のように分かれました。

  • 為替市場: FRBの利上げ停止が近いとの見方から、米長期金利が低下。これによりドルが売られ、ドル円は146.86円まで下落、ユーロドルは1.1722まで上昇して先週の取引を終えました。
  • 株式市場: 金融引き締め懸念が和らいだことを好感し、米国株は上昇しました。この流れを受け、日経平均株価も4万2633.29円と高値圏を維持しています。
  • 商品市場: ドル安と金利低下期待から、金価格は上昇し、1オンス3300ドル台後半での底堅い展開となっています。

ジャクソンホール後のトレンドを占う今週の重要経済指標

先週形成された「ドル安・株高」の流れが本物かどうかは、今週発表される米国の重要経済指標の結果にかかっています。特に以下の指標に注目が集まります。

  • 8月26日(火):消費者信頼感指数 消費者の景気に対するマインドを示す指標です。この数値が悪化していれば、景気減速懸念からFRBのハト派姿勢を後押しし、ドル安要因となる可能性があります。
  • 8月29日(金):PCE価格指数 今週最大の注目指標です。FRBが金融政策を判断する上で最も重視しているインフレ指標であり、この結果がジャクソンホールでの議長発言の信憑性を裏付けることになります。もしPCEが市場予想を下回る弱い結果となれば、インフレ鈍化が確認されたとしてドル安・株高の流れが加速するでしょう。逆に予想を上回る強い結果となれば、「利下げ期待は時期尚早だった」として、ドルが買い戻され、株価が調整する可能性があります。

最新レートに基づく主要資産のシナリオ分析

現在の最新レート(週末時点の終値)を基にシナリオを再構築します。

ドル/円(USD/JPY)- 週末終値 146.86円

今週のシナリオ: ジャクソンホール後のドル売りの流れが継続するかどうかが焦点。147.00円がレジスタンスとして意識され、上値の重い展開が予想されます。今週末のPCEの結果が次のトレンドを決定づけるでしょう。

  • 下落シナリオ: PCEが弱い結果となれば、ドル売りが再燃。146.00円のサポートを試し、割り込むようであれば145円台への下落も視野に。
  • 上昇シナリオ: PCEが強い結果となれば、ドルが買い戻され、147.50円、148.00円への反発も考えられます。

ユーロ/ドル(EUR/USD)- 週末終値 1.1722

今週のシナリオ: ドル安を背景とした上昇トレンドが継続中。1.1700がサポートとして機能するかがポイントです。PCEの結果次第では、年初来高値の更新も十分に考えられます。

  • 上昇シナリオ: PCEが弱い結果なら、ドル安が加速し1.1800を目指す展開。
  • 下落シナリオ: PCEが強い結果なら、利益確定売りに押され、1.1650付近までの調整も想定されます。

金(XAU/USD)- 現在の中心価格帯 3300ドル台後半

今週のシナリオ: ドル安と金利低下期待が追い風となり、堅調な地合いが続いています。明確な上昇トレンドの中、押し目買いが有効な局面です。

  • 上昇シナリオ: PCEが弱く、ドル安が進めば、3420ドル、3450ドルといった高値を目指す展開。
  • 下落シナリオ: PCEが強く、ドル高・金利上昇となれば、3360ドル付近のサポートまで調整する可能性。

日経平均株価(Nikkei 225)- 週末終値 42,633.29円

今週のシナリオ: 米国株高の流れを引き継ぎ、高値圏での堅調な動きが期待されます。ただし、為替が円高に振れた場合は、輸出企業の収益懸念から上値が重くなる可能性があります。米国経済指標と為替の動向をにらみながらの展開です。

  • 上昇シナリオ: 米経済指標が景気のソフトランディングを示唆し、米国株が堅調に推移すれば、4万3000円を目指す展開。
  • 下落シナリオ: 米経済指標の悪化や、想定以上の円高進行が見られた場合は、利益確定売りに押され、4万2000円の節目を試す調整局面も。

まとめとトレード戦略

ジャクソンホール会議を通過した今週は、その結果を市場がどう織り込み、トレンドを形成していくかを見極める重要な週です。週前半は先週の流れを引き継ぎ「ドル安・株高」基調で始まる可能性がありますが、火曜日の消費者信頼感指数、そして金曜日のPCE価格指数の結果次第では、この流れが大きく変わるリスクもはらんでいます。PCEの発表までは大きなポジションは取りづらい地合いと言えるでしょう。トレードを行う際は、常に最新のニュースを確認し、リスク管理を徹底することが重要です。


【免責事項】 本記事は情報提供を目的としており、金融商品や特定の銘柄の売買を推奨、勧誘するものではありません。掲載されている情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当ブログは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

この記事を書いた人
Trade Agency Director

投資歴: 10年以上

主な投資対象: FX、CFD、株式、暗号通貨

投資スタイル: トレンドフォロー型自動投資メイン

現在の職業: ITコンサルタント、アプリケーション開発

詳細:
10年以上の投資経験があり、主にFXとCFDを中心に取引しています。市場のトレンドを捉えた自動売買システムを自ら開発・運用するのがメインの 投資スタイルです。普段はITコンサルタントとして、またアプリケーション開発者としても活動しており、その知識を投資の自動化に活かしています。テクノロジーを活用した効率的なトレーディングを追求しています。

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