FXの世界へようこそ!「何から学べばいいの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。FX取引の仕組みを理解する上で、まず押さえておきたいのがpips、ロット、レバレッジの3つのキーワードです。
これらは取引の損益を計算したり、取引サイズを調整したり、資金効率を上げたりするために使われる、いわばFXの共通言語。一つずつ、じっくり見ていきましょう。
pips(ピップス)とは? – 値動きの最小単位
pipsとは、”percentage in point”の略で、為替レートが動くときの最小単位のことです。異なる通貨ペアでも共通して使える単位なので、世界中のトレーダーが「〇〇pipsの利益が出た」といった形で使っています。
pipsの小数点以下の桁数は、通貨ペアによって異なります。
- 円が絡む通貨ペア(米ドル/円など)の場合 例えば、米ドル/円のレートが「1ドル = 150.00円」から「150.01円」に動いた場合、これは「1pips動いた」と表現します。この場合、**1pips = 0.01円(1銭)**です。
- ユーロ/ドルなど、円が絡まない通貨ペア(ドルストレート)の場合 例えば、ユーロ/ドルのレートが「1ユーロ = 1.0800ドル」から「1.0801ドル」に動いた場合、これが「1pipsの動き」です。この場合、1pips = 0.0001ドルとなります。
pipsを使うことで、「今日の取引で10万円儲かった」という金額だけでなく、「50pips獲得した」というように、どれだけの値幅を取れたのかを客観的に評価できます。
ロット(Lot)とは? – 取引する量の単位
ロットとは、FXで取引する通貨量の単位です。普段の買い物で「1個、2個」と数えるように、FXでは「1ロット、2ロット」という単位で注文を出します。
多くのFX会社では、1ロット = 1万通貨と設定されていますが、中には1ロット = 1,000通貨から取引できる会社もあります。
- 米ドル/円を1ロット(1万通貨)取引する場合 → 1万米ドルを取引する
- ユーロ/ドルを1ロット(1万通貨)取引する場合 → 1万ユーロを取引する
このように、取引する通貨ペアの**左側に表示されている通貨(取引通貨)**の単位で取引を行います。ロット数が大きければ大きいほど、同じpipsの値動きでも損益の額は大きくなります。つまり、ロットは取引のリスクとリターンを直接左右する重要な要素です。
レバレッジとは? – 資金効率を高める仕組み
レバレッジとは、日本語で「てこの原理」を意味します。FXでは、口座に入れた資金(証拠金)を担保に、その何倍もの金額の取引を可能にする仕組みを指します。
日本のFX会社では、個人口座の最大レバレッジは25倍と定められています。
例えば、10万円の証拠金でレバレッジを25倍かけると、最大で250万円分(10万円 × 25倍)の取引ができます。
- メリット: 少ない資金でも大きな利益を狙える(資金効率が高い)。
- デメリット: 予想と反対に相場が動いた場合、損失も大きくなる可能性がある。
レバレッジは自分で「〇〇倍に設定する」というよりも、取引するロット数によって実質的なレバレッジが決まります。少ない証拠金で大きなロット数の取引をすれば、レバレッジは高くなります。
3つの関係性 – 実際の取引ではどうなる?
では、pips、ロット、レバレッジが実際の取引でどのように関係するのか、通貨ペアごとに具体例で見てみましょう。
【例1:米ドル/円の場合】
- 証拠金: 10万円
- 為替レート: 1ドル = 150円
- 取引: 1ロット(1万通貨)の米ドル/円を買い注文
この場合、必要な取引金額は 150円 × 1万通貨 = 150万円 です。 証拠金10万円で150万円の取引を行うため、実質的なレバレッジは 15倍(150万円 ÷ 10万円)となります。
もし、為替レートが150.10円に上昇(+10pips)して決済した場合、利益は以下のようになります。
利益計算: 0.1円(10pipsの値動き) × 1万通貨(1ロット) = 1,000円の利益
【例2:ユーロ/ドルの場合】
円建ての口座でユーロ/ドルを取引する場合、損益は一度ドルで計算され、その時点のドル円レートで円に換算されます。
- 証拠金: 10万円
- 為替レート: 1ユーロ = 1.0800ドル / 1ドル = 150円
- 取引: 1ロット(1万通貨)のユーロ/ドルを買い注文
この場合、必要な取引金額は 1.0800ドル × 1万通貨 = 10,800ドル です。 これを円に換算すると 10,800ドル × 150円 = 162万円 となります。 証拠金10万円で162万円の取引を行うため、実質レバレッジは 16.2倍(162万円 ÷ 10万円)です。
もし、為替レートが1.0810ドルに上昇(+10pips)して決済した場合、利益はまずドルで計算します。
- 利益(ドル)を計算: 0.0010ドル(10pipsの値動き) × 1万通貨 = 10ドルの利益
- 利益(円)に換算: 10ドル × 150円(決済時のドル円レート) = 1,500円の利益
このように、ドルストレートの取引では損益がドルで発生するため、最終的な円での損益はドル円レートにも影響されます。
まとめ
- pips: 値動きの幅を表す共通単位(円絡みとそれ以外で小数点の位置が違う)
- ロット: 取引する量の単位(損益の大きさを決める)
- レバレッジ: 少ない資金で大きな取引を可能にする仕組み(資金効率とリスクを高める)
これらの関係性を理解することが、FXで成功するための第一歩です。特に、取引したい通貨ペアのpipsや損益計算の方法に慣れることが重要です。まずは小さなロットから始めて、ご自身の資金に合ったリスク管理を心がけましょう。
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